東京西地区大学図書館相互協力連絡会 2003年度研修セミナー | ||||||||||||||||
テーマ:「e-Learning時代の大学図書館」 | ||||||||||||||||
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2.講演内容・資料: | ||||||||||||||||
『e-Learningのインパクト:書籍と図書館を中心として』 吉田 文 氏(文部科学省メディア教育開発センター教授) ・図書館は、書籍・文献情報のデータベース化にいち早くコンピュータを導入し、独自のIT化を 先行させた。一方で、インターネットの普及により、米国では1980年代後半から図書館を とりまく環境に変化が起き始めた。学外からは電子資料や電子教材の出版、学内からは 紙ベースの資料に加えて電子資料・電子教材の要望が出るようになった。大学内でe-Learning が進むにつれ、図書館も電子図書館的色彩が濃くなり始めた。それにより、図書館に来なけ ればできなかったことが、オンラインを通じてでもできることが増え、キャンパスの中心的役割 が薄れつつあるような傾向も見うけられる。この先、IT化がさらに進むことで、図書館の果たす べき役割というものも変化していくと考えられる。 |
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『変容する図書館サービスとその役割 ―遠隔学習サービスとTeaching Libraryについて―』 二村 健 氏(明星大学人文学部教授) ・国民・地域社会の文化段階、経済状況などの社会的動向、IT推進などの科学技術の動向、 国の方針などの政治的動向など、これらが変化の諸要因となって、図書館の業務にも変革が 押し寄せている。日本の大学を見ると、18歳人口の減少から、「学生全入時代」と「社会人・ 大学院の拡充」というふたつの方向性を窺い知ることができる。これにより大学図書館も、 サービスのターゲットを絞り、全入時代の本を読まない学生に対しては、Teaching Library機能を、 そして社会人・大学院の充実のためには、遠隔学習サービス機能を提供する余地がある。 ・Teaching Libraryでは、単なる利用教育ではなく、大学のカリキュラムと連携して取り組むことが 重要である。特に教養科目での積極的な関与は実現可能と思われる。 ・一方、遠隔学習サービスであるが、これは1800年代中頃に欧米で始まったといわれる。これは 国内の郵便インフラの整備により実現可能になったもので、現在のe-Learningがインターネット・ インフラの整備により実現可能になったものと似通った背景をもつ。当時、遠隔地にいる学生に 対して、図書資料を郵送して届けるサービスを図書館が行ったように、e-Learningの学習者に 対しても、図書館の関与は必須であり、また可能であると思われる。 |
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『e-Learningに関連した図書館の試み』 和田 幸一氏(慶応義塾大学湘南藤沢メディアセンター) 慶應義塾大学湘南藤沢メディアセンターのマルチメディアサービス担当は、「センター内のAV機器 環境の利用支援と整備」、「教室のAV機器環境の利用支援および整備」、「教育IT化の促進支援 (主にe-Learning)」を業務としている。COEの一環でWeb Learning Systemの開発が行われることに 関連して、教員と職員の両方をメンバーとしたワーキンググループが2000年6月に組織され、 そのメンバーに図書館員も加わったことがe-Learningにメディアセンターが関わる直接のきっかけと なった。従来の図書館業務の枠組では、発展途上のe-Learningと関わる部分は少ないが、これは 大学内の他の部署とて同様である。ここではe-Learningを大学内の業務の中で図書館の新しい ビジネスチャンスととらえるべきである。図書館は、教育内容に関わる事務組織であり、IT化された 教育で使われる教材は、図書館が所蔵するテキストと目的を同じにするものであり、著作権に関する 意識や個人情報の扱い、図書館システムとの連携などは、図書館はすでにIT化を先行していること から、そのノウハウも持っており、その意味でも図書館員が関係する意義は大きい。 |
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・定員120名の会場だったが、92名の参加があり、ほぼ満員状態となった。 ・講師の持ち時間はひとり50分(質疑応答を含む)だった。ひとつひとつの講演が完成された 内容だったこともあり、質問は少なかった。 |
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